コラム

良い、さよならを。

目の前にあるものが大事であればあるほど、言えなくなってしまう。 何か言おうとするのだけれど、とてつもなく陳腐になりそうで、尻込みしてしまう。 大事なことだからこそ、自分の言葉で台無しにしたくなくて、そんなときは黙って笑うしかない。そんなこん…

それでも村上春樹がダメな人へ

「村上春樹ってダメ」という人に対して、 村上春樹の良さを伝えるのは案外難しいです。 他の作家だったら、弁護したり反論したりできるのですが、村上春樹の場合は難しい。ていうか、村上春樹の場合、好き嫌いというよりも「縁があるかないか」と言ったほう…

すべての物語は色あせる。だけど

誤解を恐れている場合ではない。何かを恐れたり、遠慮したりしているうちに時間は経ってしまう。恐ろしいほど的確に、迅速に。 そしてすべての角をとり、なめらかにしてしまう。 だからこそ、もっと早く書かなければならなかったのだけど。 私は臆病ものだか…

「どんなことにも興味があります」

なるほどなーと思った記事です。http://cyblog.jp/modules/weblogs/4071全体的にもとてもためになるけど、一番おおっと思ったのがこの一言。 何にでも興味津々になるのは難しい。 「どんなことにでも興味を持ってます!」とか言うのは簡単だけど ていうか、…

波長

特に早口でもないし、声が小さいわけでもない。 それでも、何を話しているのかがなぜか上手く聞き取れない。そんな人のことを、相方M氏はよく、「波長があわない」と表現する。つまり、感性が違いすぎて意志の疎通ができないということ。 たとえ同じ日本語…

「好きなこと」に復讐されてもたじろぐな

何日も更新とまったかと思ったら一度に何件も更新したりして。 読みにくいったらありゃしないブログですが、思いついた時に一気に出しておかないとまたいつ眠りにはいってしまうかわかりませんのでおゆるしください。 ライターの学校に通っていたおかげで、…

おしゃれは防御でも攻撃でもなく

Mちゃんは素敵な人だ。明るいし優しいし、しかもめちゃくちゃ美人。 そんな彼女からお誘いがあったので、喜んで向かってしまった。 知り合ってそんなに時間は経ってないが、お誘いのメールなんかもらうとドキドキしてしまう。「え、ほんとに?」ってときめ…

淀屋橋の休日(更新)

久々の淀屋橋集合。淀屋橋、中之島界隈にお気に入りの場所が多いスポット。本日は(すでに一昨日だけど)お友達のノトさんと 待ち合わせ。彼女とはもう4年来のお付き合いで、時々一緒にお出かけをします。 どちらもあまり計画をしっかり立てて出かけるタイ…

続・勝手に自分アンケート

眠れぬ夜をどうお過ごしですか?ってもう朝なんですね。 以前は眠れないと過去のことばかり考えたものですが、最近は未来のことばかり考えてしまいます。どっちも同じくらい、愚かなことでありますが。 遅くなってしまいましたが、rojion666さんからのリクエ…

勝手に自分アンケート

ネタがないので、自分あてにアンケートをすることにしました。 ■生まれてはじめて読んだ小説は?またその時期は? 絵本などを除けば、小学一年生の時に読んだ、いぬいとみこの「ながいながいペンギンのはなし」 ほんとにすごく長かったことを覚えている。幼…

言葉なんて信じない

もちろん、言葉の威力を信じているからこそ言い放つわけですが。 言葉は大事だ、というのは当たり前の大前提なわけですが、それって道具が大事くらいな意味しかなくて、本当に大事なのは言葉そのものなんかじゃないと思うわけです。 よく言われる「言葉を大…

雪が降ったあとで

今日は雪が降った。 雪がやんだあとで、ぼんやりとバスを待つ。 空気が凍るように冷たいが、日が長くなった。空が夕暮れの色を保つ時間が少し長くなってきた。 空の色って完璧だな、といつも思う。 春だろうと、夏だろうと、寒い冬だろうと 田舎だろうと都会…

「私とあなたを決めるもの」

「お仕事ですか?」 「いいえ、遊んでて終電逃しただけです」答えながら、助手席の後ろに貼ってある自己紹介を見る。最近のタクシーは車内に運転手のプロフィール表示があり、名前、顔写真、趣味などが分かるようになっている。スズキさん。釣りとカラオケが…

人が品格を失うのはどこらへんか、もしくはどこらへんまで持ちこたえるべきなのか

先月、海外留学の仲介業者が破産申請したニュースで、債権者説明会の様子が流れていた。見た人も多いと思う。えらいことになっていた。留学費用が来ないと知った債権者たちの怒りは相当なもんで、経営者袋叩き状態。土下座してる頭上に飛び交う罵声。 確か、…

”ホントにあった”を信じたい?  〜「実話」怪談に思う〜

学校の課題として1年くらい前に書いた。備忘録として。 真っ暗な新月の晩。部屋に集まった人々は順に怪談話をし、行灯の灯火を一本ずつ消していく。百本ある灯心から全ての火が消えると、何かが起こる…。江戸時代の怪談集『伽婢子』(浅井了意著)には当時…

めんどくさいっていうな

漱石の「三四郎」で、主人公三四郎が美禰子に告白する変わりに家でふて寝してしまう主人公の気持ち、分かるだろうか? 私はよーく分かる気がする。昔からやたらと心身ともに起伏が結構激しいほうである。やたらと衝動的にパッパと動き回ってるかと思うと、急…

残る桜と散る桜 近江八幡ルポ(2008年4月20日)

「先週に来はったら、桜が満開でしたのに」 花びらを散らす葉桜を眺めながら、駅前から乗ったタクシーの運転手さんが繰り返していた言葉を思い出す。近江八幡の春は盛りを過ぎ、初夏の兆しが見え始めている。 古い町並みをたどって、かつての近江商人たちの…