良い、さよならを。

目の前にあるものが大事であればあるほど、言えなくなってしまう。
何か言おうとするのだけれど、とてつもなく陳腐になりそうで、尻込みしてしまう。
大事なことだからこそ、自分の言葉で台無しにしたくなくて、そんなときは黙って笑うしかない。

そんなこんなで、あれこれ先延ばしにしたり、飲み込んだりしてしまいがちだけど
でも、そのときに、言わなければ意味のない言葉がある。
だから、何とかしてその言葉を探してみよう。

長い間仲良くしていた友達が、遠くへ引っ越していく。
彼女はとても素敵な人で、たくさんの刺激をもらったし、新しい発見もたくさんあった。
私は彼女に釣り合う友達でいたくて、背伸びをしていたかもな、とも思う。
それは私の悪い癖で、本当はもっと本音をぶっちゃけても受け止めてくれたのかもしれない。

ともかく、一緒に過ごした時間はすごく楽しくて、密度が濃くて、まったりしてて。大切だった。

もちろんこれからも楽しい時間は過ごす機会はあるだろうけど、たぶんその時間はもう無限ではないはず。
だからやっぱり、これは一つの岐路であり、「今までと何も変わらない」と流してしまうわけにはいかないだろう。とても寂しいけれど。

彼女に送る言葉を、ずっと探していた。

私は別れは、「大したことではない」と笑ってしまいたい。
実はすっごく大したことなのだけれど、だからこそ、さらりと受け流していきたい。
人生は思うよりもずっと長く、大変で、いろんなことが起こるし、それが当たり前だから、
重く受け止めずに、タフに行きたいのだ。

いつか死ぬことが自然なことだとしたら、生きるうえで出会うことも、別れることも自然なことだ。

だから、何事もないかのように、あなたを見送りたいのです。
そして次に会うとににも、何事もなく、本の話をしたいです。

出会いに心から感謝を。

Good-bye!