戻ってきたあああ! 〜ターミネーター4〜

いやぁ「ターミネーター4」面白かったです。

実際映画館で観たのは、もう2週間くらい前なので、今現在のテンションはタイトルほどは盛り上がっていません(笑)

しかも、映画としてどうなのかと冷静に聞かれると、たぶん「B級エンタメ映画」として面白い、とかそのくらいの評価が適当な作品なんだと思います。

しかし! 私にとって「ターミネーター」シリーズは非常に思い入れの深い特別な映画。多少大げさにでも感動を表現せずにはいられません。

元来、私は「映画」というメディアがどちらかというと苦手。さすがに歴史的名作の良さくらいはわかるものの、正直自分から映画を見に行ったり、すすんで評論したりなんてことはあまりしません。
おそらく、集中力が持たない。本みたいに自分のペースで読み進めることができず、一方的に出力され続ける情報に疲れてしまうのだと思います。
なぜか生で見る舞台やライブなら2時間以上でも平気なんだけど……。
だからある意味、映画はテレビでCM挟みながら見るくらいがちょうど良かったりします。


そんな私でも、何度でも繰り返して見られる映画がいくつかあります。

そのいくつかの中に「ターミネーター」「ターミネーター2」があるわけです。(ちなみにその他には「レインマン」「ローマの休日」など)
まあ、共通するポイントは、「脚本がわかりやすく、無駄がなく、よくできている」「テンポがよく飽きない」「役者がしっかり演技している」というところでしょうか。


相変わらず前置きが長くなりましたが、「ターミネーター」が私にとってそこまで大きな存在なのは、そのわかりやすさ、無駄のなさだけでなく、「初めて見た大人向けの映画」だったことに起因します。

映画にも、小説にも、演技にも、そしてSFにも免疫のなかった私には、「ターミネーター」はめちゃくちゃ衝撃でした。小学校5、6年くらいかな。
”伏線を張って、それを最後で回収する”という映画の作り方も、この映画で初めて意識したような気がします。
カイルが持ってきたサラ・コナーの写真。最初の無邪気なサラからは想像できない大人びたあの表情が、ラストシーンに出てきたときは鳥肌立ちました。
そしてその数年後の「ターミネーター2」この時も私はまだ中学生で、映画の面白さ、絵演出の素晴らしさにめちゃくちゃ打ちのめされたものです。今更だけどジェームス・キャメロンって演出上手すぎですね。映画の評価ができない私でも、役者の細かい演技、シーンを盛り上げる演出、物語の構成の善し悪しくらいわかります。

今回、「ターミネーター4」は、その頃のドキドキワクワクした気持ちが蘇らせてくれる作品でした。「ターミネーター」や「ターミネーター2」で出てきた、少し紗がかかったような未来の風景。その全貌が初めて目の前に! まずはそれに感動。
アクションよりもストーリーを重視した重苦しい雰囲気も逆にイイ! 今までのシリーズを見てきたファンにとっては、ひとつひとつのエピソードやキャラクターを軽く扱われるのは我慢ならないんです。そのへんを理解してくれている脚本だったように思います。
ターミネーター」シリーズではおなじみの、「I'll be Back」や「生きたければついてこい」などの名セリフもちゃんと散りばめられていて、お約束とは思いながらも、いちいち「キタキタキタ!」って感じでニヤニヤしてしまいました。


しかし、主人公がジョン・コナーとマーカスのどちらかに絞り切れていなかったのは個人的には残念。どちらも魅力的なキャラクターだったけど……。欲張り過ぎたかもなぁ。ジョン・コナーは謎の存在のまま、5まで置いておいてもよかったような気がします。
T800の出てくるシーンは……、映画的にはファンサービスのつもりなのかもしれませんが、ちょっとがっかりでした。
今までのシリーズを生きてきたジョンなら、もっと違った反応をしたはず。ほんのちょっとでいいんです。あのジョンと、このジョンが繋がるような演出をして欲しかったですね。


今回特にときめいたのは、若き日のカイル・リース。きれいな目してるとこが、初代のカイルに似てる。いい役者を見つけたよね! 次回作までの成長が楽しみです。(役者変ってるかもしれないけど)

ちなみに、「ターミネーター3」については、自分の中では別作品扱いです(笑)
面白いところもあるんだけど、どうも他シリーズと同じ世界とは思えない……