甘くてもいいから、とにかく続ける

少し前、画家の友人が「描けない。何も思いつかない」という状態で悩んでいた。
彼女はそんな経験を今までしたことがないと言い、戸惑い、思いつめていたのだけど、幸いこちらは年間とおしてそういうダメダメ状態の方が長いくらいなので、いくらかアドバイスすることができた。
ていうか、彼女のおかげでダメな時どうすればいいか再確認できたので、忘れないうちに記録しておこうと思う。


まず、作れなくなる、描けなくなる、書けなくなることは、真剣にやろうと決めたなら当然訪れることなので、無駄に落ち込んで時間を浪費しないこと。
やたらと精神論に走らず、とにかく作ること。とりあえず質なんかどうでもいい。手を動かす。


真剣にやればやるほど、知識があればあるほど、目が肥えれば超えるほど「自分で作ること」へのハードルが高くなってくる。
始めた時は、作ることそのものが楽しく新鮮だったのに、時間が経つにつれて苦痛をともなうようになるのだ。
アーティストの多くが通る道だと思う。
私はどうもすぐにそういう状態になりやすいようなので、普段から心がけているのが、以下の2つ。


・インプットに夢中になりすぎないようにする(情報集めばかりしすぎない)
・何らかのアウトプットを必ず毎日することにする


特にアウトプットは、ブログなどある程度完成した状態の文章だけではなくて、走り書きなど、不完全なメモをたくさん書くようにしている。
完全なものを目指さない、思いつくまま書く、という時間が、創作を続けるにあたっては、とても重要に思えるので。
想いを吐き出す、アウトプットするという行為は、思っている以上に効果がある気がする。


自分に厳しすぎて何もできなくなるくらいなら、少々甘くても続けるほうがいいにきまってる。作家はとにかく何か書かない以上、何も始まらないのだから。


そのへんのことは、以下の記事がとても参考になった。
茂木健一郎氏の本、実際には読んだことないんだけど……。
http://cyblog.jp/modules/weblog/details.php?blog_id=782


ちなみに冒頭の彼女は、自力でスランプを脱出し、精力的に作品を作り続けている。
脱するきっかけは、漫画の似顔絵やら有名絵画の模写やら、やはりひたすらに絵を描きまくったことらしい。

オリジナルが浮かばない時、そういう方法もあるなと感心したので、今度漱石や芥川で試してみようかなと思っている。
他人の文章を写して書くって、思えばやってみたことないんだけど、それなりに発見あるような気がする。